最近年老いてきた愛犬。
体力が弱ったためか昼間はいつも寝てばかりいるのに、夜になると歩き回る。
または悲しそうに吠える(夜鳴き)。
そんな愛犬の昼夜逆転生活にお悩みではありませんか?
夜間ろくに眠られずにつらい思いをされている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
一時のことならまだしも、毎日続くと飼い主さんのイライラが募ってしまい、日中生活がままならなくなりり、ついつい愛犬に八つ当たりしては後悔をくり返す…。
そんな日々はつらいですよね。
そこで普段の飼育方法に一工夫加えるだけで、愛犬の昼夜逆転を解消できる方法をご提案します。
先輩オーナーも実践!高齢犬の昼夜逆転を解消する方法
まず犬が昼夜逆転生活になった理由を知ろう
愛犬が年老いてから生活が夜型へと逆転し始めたという場合、その原因は認知症(痴呆)かもしれません。
認知症になると、夜間に歩き回るだけでなく
- 夜鳴きをする
- 隙間にはまって身動きが取れなくなる
- 転倒して起きられなくなる
- お漏らしをしてしまう
といった行動が見られる場合もあります。
また日中の行動についても
- 食欲がやたら増幅している
- ひたすら昼寝ばかり
- 飼い主が声かけても反応が薄い
- 食事を忘れて黙々と毛づくろいや歩行に夢中になる
いずれかの兆候が表れることがあります。
認知症になると判断能力や時間・場所などの感覚が低下し、昼夜逆転などの異常行動が見られるようになります。
ただし、老犬の昼夜逆転の原因すべてが認知症であるとは限りません。
何らか病気でつらくて眠れない場合もあります。
高齢になると、体調に大きな変化が見えなくても、何らかの病気を患っているという可能性もあるので、まずは医師の診断を仰ぐことをおすすめします。
”犬は夜行性”でありません
オオカミを祖先に持つ犬は本来夜行性だから夜は活発になるのでは?
そう思われがちですが、それは正しいとは言えません。
確かにもとは夜行性ですが、人間と生活するようになって久しい現代では犬は基本的に昼行性の動物になっているのです。
とはいえ犬の睡眠は人間の睡眠より浅いので、夜中でも少しの物音で目覚めたり、少し歩き回ったりということもあります。
ですが、若くて健康な犬の場合は夜通し徘徊したり、吠えたりということは基本的にはありません。
愛犬にとって昼夜逆転は問題があるの?
愛犬の昼夜逆転生活で一番苦労するのは、おそらく飼い主のあなただと思います。
いくらかわいい愛犬といえども家族が睡眠不足に悩まされるのは大きな問題です。
では犬にとっては、昼夜逆転生活を行うことに問題があるのでしょうか?
例えば認知症の犬の場合、夜間の人の目につかない時に転んだり、隙間にはまったりするとケガの恐れや体力低下の恐れがあります。
また、夜間の不安や孤独感がストレスになることもありますし、寝不足の飼い主のストレスが伝染することもあります。
ストレスは精神的なトラブルですが、ストレスが原因で犬が肉体的体調不良に陥る場合も珍しくありませんから注意が必要です。
愛犬の昼夜逆転生活を解消する対策とは?
では、いよいよ本題。
愛犬の昼夜逆転生活の解消法についてです。
以下の方法は、高齢犬を介護してこられた先輩飼い主さんたちも効果を実感したものばかりですので、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。
昼型に戻すには日光浴と運動がカギ
愛犬の昼夜逆転生活を解消するポイントは日光浴と運動です。
日光には動物の体内時計を正常化させる力があるので、太陽を浴びて体を動かすのは生活改善にとても有効です。
犬は高齢になると、昼寝の時間が増えるものです。
昼間気持ちよく眠っているところを起こすのは酷な気もしますが、そこは「愛犬のため」と割り切って起こして散歩に連れ出してあげてください。
(愛犬の体力に合わせて少しの距離でも大丈夫)
もし足が弱っている場合は、抱っこやバギーに乗せて外の空気を感じさせるだけでもOK。
外出が難しいのであれば、ベランダや窓辺で日光浴させましょう。
飼い主が昼に不在の場合は朝夕の運動を
飼い主さんが昼間に家を空ける場合は、朝と帰宅後(ごはん前)に散歩や外出をする習慣をつけましょう。
運動→ごはんという流れは、夜の睡眠を促してくれますし、食欲が低下気味の高齢犬が食欲を取戻すための手段としても有効です。
⇒愛犬の食欲不振の救世主?!食べなくなった多くの老犬を救ったドッグフードとは?
夜間徘徊が始まったら安心させてあげる
日光浴をしても、夜に徘徊や夜鳴きすることもあると思います。
そんな時は愛犬の気持ちを落ち着かせるために、マッサージや、ちょっと屋外に連れ出すということも試してみてください。
夜間には少しキツイですが、これにより以後ぐっすり寝てくれたという事例もあります。
また空腹で落ち着かない場合は食べ物を少量与える、
さみしがっている場合は添い寝をしてみる。
このように愛犬の望みに応えることで安心して眠ってくれる可能性があります。
間違っても「寝ないとダメ」と言い聞かせて従わせようと思わないこと。
認知症の生活リズムの乱れはしつけでは治りません。
そっとしないで!コミュニケーションが大切
認知症気味のわんちゃんは物事への関心が薄れ、飼い主にさえも興味を示さなくなることがあります。
いつもボーっとしていて、眠そう(疲れてそう)にも見えるので「そっとしてあげよう」という親心?が働いてしまいますが、その”心遣い”が病気の進行を進めている場合もあるんです。
わんちゃんは何も感じていないようで感じています。
大好きな飼い主さんのことが分からない時もあるかもしれませんが、撫でられたり、声かけられるとうれしいんです。
飼い主とのコミュニケーションによって脳に刺激が与えられると、生活リズムが戻る場合もあるので、
元気な頃と同じようにマメにコミュニケーションを取りましょう。
オメガ3脂肪酸で脳を元気に!
愛犬にオメガ3脂肪酸を摂取させて脳を活性化させましょう。
オメガ3脂肪酸というのは脳を元気にする成分です。
DHAやEPAで頭がよくなると聞いたことがありませんか?
実はそれらはオメガ3脂肪酸の一種なんです。
このオメガ3脂肪酸はサーモンやマグロなど油分の多い魚に多く含まれます。
それらを愛犬に食べさせたり、成分が凝縮された魚油を舐めさせたりしてオメガ3脂肪酸を摂取しましょう。
ただし、この方法で数日のうちに劇的な効果が出るとは思わないでください。
オメガ3脂肪酸は薬品ではなく食品ですから、粘り強く続けることが大切です。
即効性が無いなら今からやっても意味が無いのでは?そう思われるかもしれませんが、
オメガ3脂肪酸は脳の活性化以外にも皮膚炎の予防、目や関節のケア、代謝促進等の働きもしてくれますから、
高齢犬の健康維持のためにも摂取しておきたい成分には間違いありません。
認知症の老犬の昼夜逆転生活はいつまで続く?
認知症を患う老犬の夜間行動はどれくらいの期間続くのか?
これに関して絶対的な答えはありません。
寝たきりになるまで続く場合もあれば、何かのきっかけでパタリと止まる場合もあります。
終わりが分からない分、飼い主さんも不安だと思いますが、上に紹介している方法を試して、少しでも解決の糸口が見つかることを願います。
あなたは一人でストレスを抱え込んでいませんか?
「かわいいわが子(犬)に寄り添ってあげたい」
それは愛犬家みんなの想いでしょう。
しかし、時にそれができなくなることもありますよね。
睡眠不足で疲労が限界になると、ついついわんちゃんにイライラしたり、家族につらく当たったり…
そしてそんな自分に自己嫌悪…
分かります。
「自分が最後までお世話しなくちゃ!」
強い責任感を持つあなたは立派な飼い主さんです。
ですが、一人で抱え込んでいると、あなたの方がダウンしてしまいます。
飼い主の心に余裕がないと、愛犬のストレスも増してしまい悪循環ですよね。
疲労の限界に達する前に頼るべし!
飼い主のあなたが限界に達する前に、少しだけ周りに頼ってみませんか?
家族交代で愛犬の面倒を見たり、周囲の愛犬家仲間に話を聞いてもらうのもいいでしょう。
夜鳴きに関してご近所に断りを入れるだけでも気の持ちようが変わりそうです。
とはいえ実際のところ、
それらを行うことが難しい家庭も多いんじゃないでしょうか。
だからツライんですよね。
やはり一番良いのは医師に相談することだと思います。
獣医さんはそれが役目ですからね。
この記事では薬を使わない昼夜逆転生活の改善方法を紹介してきましたが、
それだけではどうしても改善できない場合、
病院へ行けばあなたの愛犬の状態に合わせて睡眠導入剤や安定剤、または漢方などを処方してくれる場合もあります。
また、飼い主の体力が厳しい場合は、愛犬を病院に泊めてくれることもあります。
どうかあなたも一人で抱え込まず、いつでも頼れる場所があるということを忘れないでくださいね。