体力が衰え始めた高齢犬の
突然の下痢。
元気がなさそうにしていると
心配になりますよね。
高齢犬は、どんな場合に
下痢を発症するのでしょうか?
高齢犬の下痢の原因と対策
下痢とは、水分を多く含んだ
液状の便のことをいいます。
高齢犬に下痢が続くと
体力を大きく消耗してしまいますし、
最悪の場合、他の病気のきっかけに
なってしまうこともあります。
下痢の原因を突き止めて、
下痢を起こしにくい体を作りましょう。
下痢の原因①腸の活動が衰えている
腸の働きは年齢とともに低下していきます。
腸の活動が鈍ってくると、
腸内は善玉菌よりも悪玉菌のほうが
増えてしまいます。
この腸内環境の悪化により、
栄養吸収が阻害されて
下痢が引き起こされるわけです。
<有効な対策>
まず1つ目は食事の見直しです。
栄養吸収率に優れたドッグフードや
おなかに負担をかけないおやつに切り替えましょう。
(おやつは絶対に必要なものではありません)
また、腸内環境を改善する効果のある
食材やサプリメントを導入してみてください。
納豆やヨーグルトなどは効果的ですよ。
下痢の原因②自律神経の乱れ
自律神経とは、
例えば呼吸や体温調節、消化などのように
生きるために絶えず必要な運動を司る神経のことです。
この自律神経が乱れることで、
消化液の分泌量が減り、
効果効率が低下するため下痢を招きます。
<有効な対策>
自律神経の乱れは
ストレスの蓄積や生活リズムの乱れによって
引き起こされます。
高齢犬になると運動量が減ったり
体の痛みにストレスを抱えたりなど、
自律神経が乱れやすくなります。
規則正しい生活は
免疫力アップにもつながりますから、
体力が衰え気味のわんちゃんでも
できる限りの運動を行い、
質の良い睡眠がとれるように心がけましょう。
下痢の原因③歯が抜けて食べ物が噛みきれない
歯が減ったり、歯の痛みがあると
食べ物を噛まずに飲み込んでしまいます。
ただでさえ消化機能の衰えている
高齢犬にとって大きな食べ物の消化は
大変ですよね。
<有効な対策>
歯が抜けたり、痛がったりというのは
主に歯周病の症状です。
一度医師に診てもらい、
歯石を取る、痛む歯を抜くなど
適切な処置をしてもらいましょう。
家庭では歯ブラシやガーゼを使った
歯磨きで症状の悪化を抑えましょう。
歯ブラシが苦手というわんちゃんは
まず、歯磨きガムを使った歯垢除去がおすすめです。
これに加え、ドッグフードをふやかして
食べやすくするのも有効です。
ただし、柔らかい食べ物は口に残りやすいので
ケアはしっかり行ってください。
下痢の原因④体温調節機能の衰え
先程もお話しましたが、
自律神経の乱れにより体温調節機能が衰えます。
また皮下脂肪の減少により
寒さによる耐性が弱くなってしまいます。
体温調節がうまくできないと
寒い季節に下痢になりやすくなるだけでなく、
夏のエアコンでも体調を崩しやすくなってしまいます。
<有効な対策>
自律神経を正常化させるために
適度な運動を心がけましょう。
また昼夜の時間感覚が狂わないために
昼間の日光浴は有効です。
そして自律神経の乱れの改善には
代謝をあげることが大切です。
運動に加えて、血行マッサージ、
食事の改善を行いましょう。
代謝が上がれば食欲も増すので
体重減少も防げます。
代謝を上げる運動法やマッサージ法は
こちらをご覧くだいさい。
そして、寒い屋外では服を着せ、
室内では毛布などを使い、
体を温めてあげましょう。
下痢の原因⑤風邪などの体調不良
風邪など、何かしらのウイルスや菌の影響で
下痢を引き起こしている場合があります。
下痢以外は元気な様子であれば
1日2日様子を見ていても構いませんが
長引くようなら病院を受診してください。
<有効な対策>
代謝をアップさせることで
風邪にもかかりにくくなります。
また、風邪をひく原因の一つに
”菌慣れ”していないこともあげられます。
あまりに清潔すぎる環境だと、
菌と接する機会が限られますよね。
そうなると風邪などを引き起こす
弱いウイルスや菌にも負けてしまいます。
これを改善するには、土や自然と触れ合うことが大切。
土の中にはさまざまな菌がいるため、
土とのふれあいが体の抵抗力を高める
トレーニングになるんです。
ただし、体力が著しく低下している高齢犬には
この方法はおすすめできません。
下痢の原因⑥食べてはいけないものを食べた
中毒性のある食べ物や、
消化に悪い食べ物を口にした場合
下痢になることがあります。
<有効な対策>
飼い主さんが悪いものを与えていない場合は
拾い食いが原因です。
拾い食い防止には散歩や外遊びの時に
注意深く監視し、
拾い食いの行動が見られたら
ただちに注意してしつけてください。
また、家庭内での拾い食いも危険です。
キッチン周りに人間の食べ物のかけらが
落ちていませんか?
犬と人間が共有する生活スペースに
人間のおやつが置いてありませんか?
一度、家庭内をチェックし、
拾い食いのリスク管理を徹底してください。
犬の下痢は何日続くと危険?
一過性の下痢の場合は1~2日もすれば
収まる場合が多いでしょう。
この期間には、激しい運動を避け、
できるだけ部屋の中で安静に過ごさせてください。
3日以上下痢が続く場合は、
なんらかの病気・感染症などが疑われますので
病院へ行きましょう。
その際には便の頻度や量を記録したものや、
便がついたおしっこシートなどを持参すると
診断がスムーズかと思います。
下痢の期間に食事を与えても大丈夫?
下痢になった原因と思われる食材があれば
それを避けた食事を与えてください。
ですが、下痢の期間中は
お腹に入った食べ物が刺激となり
さらに下痢を誘発することもあります。
もし愛犬に食欲が内容であれば、
無理に食事は与えずに、
一日程度絶食すると、治りが早くなるかもしれません。
しかしこの場合でも
水分補給はしっかりと行いましょう。
ただし一度に多量の水分を摂取すると
腸を刺激してしまうので、
水分補給は少量ずつこまめに行うようにしてくださいね。