犬も高齢になると、今まで当たり前だった生活に
不便を感じるようになります。
肉体の衰えによって、できないことや
危険なことが増えていくからです。
愛犬の衰えを感じ出したら、
飼育環境の見直しを行いましょう。
こんな様子が現れれば室内環境の見直しを
愛犬に老化現象が見受けられるようになったら
(室内犬の場合)室内の環境を見直す時期です。
例えば
- 散歩の距離が短くなってきた(以前より楽しそうでない)
- お昼寝の時間が増えた
- 歩行中にバランスを崩す
- 立っているとき腰が落ちるような姿勢
このような様子があれば
足腰が衰えはじめた証拠です。
足腰が衰えると、今まで快適に過ごしていた環境でさえ
生活しづらくなることがあります。
以下にご紹介するポイントを、
愛犬の健康状態に合わせて取り入れてみてください。
高齢犬に負担を掛けない部屋づくり
①床材にはクッション性を。ジョイントマットが一番便利!
犬の足は滑りやすいのでフローリングや畳の上に
敷物をされているご家庭も多いかと思います。
爪の引っ掛かりを防ぐためにもカーペットなどの
起毛性のある素材を避けるほうが無難です。
そこで床材の中でも最もおすすめなのがジョイントマット。
ホームセンターや家具店でも比較的安価に入手できますし、
100均でも購入できます。
ジョイントマットの何が便利なのかと言うと、タイル式なので
汚れた部分だけとり外して掃除できるということです。
老犬になって体の自由が効かなくなったり、
認知症が始まると、トイレでの排泄が難しくなっていきます。
部屋のあちこちで粗相をしてしまう場合もあるんですね。
ジョイントマットなら汚れている部分だけ外して、
しかも水で洗えるしすぐに乾く素材なので
衛生管理がとても楽です。
また部屋のレイアウトに沿ってカットすることもできるので
隙間なく敷き詰められるのもメリットです。
カラフルなデザインは苦手という方でも抵抗ない
木目調のものもありますよ。
②角にはクッションでケガ防止
足腰が弱くなると、ふとしたことで
バランスを崩したり、パタッと倒れることもあるので
コーナーガードを取り付けてケガを防止しましょう。
柱や扉のかどや家具家電の角、椅子の脚など
ぶつかりそうな硬い場所に取り付けてください。
100均などでも、安全対策のコーナーガードが
売られていますし、ぶつかって痛くない素材なら
緩衝材や発泡スチロールなど家にある素材でも
代用できます。
③段差にはステップやスロープを設置
ソファーや玄関や階段の段差の乗り降りも
困難になりケガの原因になりえます。
それに登れないという現実を受け入れることは
犬にとってもストレスの原因にもなります。
安全面を考えると段差になるようなものは
なるべく排除したいところですが、
そう簡単に排除できませんよね。
このような場合は段差にステップを設置して
これまでと同じような生活ができるように対応しましょう。
しかし、以前の感覚でぴょんと飛び降りたら
体が支えきれなくて転倒するといった危険性もあるので
段差の乗り降りの際には目を離さず、
ステップを使うように促してあげましょう。
また足腰の老化が進んでいくと、大きな段差だけでなく
間仕切りのような小さな段差も怪我の元となりますから
スロープを設置することをおすすめします。
例えばベニア板や重ねたダンボールに滑り止めを貼ったり、
使い古しのタオルを重ねたりするだけでも簡易スロープは作れますよ。
④隙間は完全に埋める
これは認知症傾向が見られるワンちゃんへの対策です。
もし室内を目的なく歩き回っていたり、
同じ場所をぐるぐる回っていたり、
深夜に家の中を歩き回るようになったり
という行動が見られる場合は認知症の可能性があります。
また、夜に吠えるようになった(夜鳴き)場合も
認知症かもしれません。
認知症の場合、空間認知力や判断力が衰えるので
家具と壁の隙間に入り込んだり、柱の出っ張りにぶつかると
回避できなくなり身動きが取れなくなります。
飼い主の留守中にこのような状態になると何時間も
同じ場所から動くことが出来ず、行き倒れて
衰弱していたというケースも珍しくありません。
このような事故を防ぐためにも、
室内の隙間(体が入りそうな空間)や
出っ張りを徹底的に塞ぎましょう。
見落としがちなのはソファーや椅子、
テーブルなど下にある隙間です。
潜り込まないようにものを詰めておくことをおすすめします。
またはワンちゃんがある程度の広さの
サークルを用意するのも方法の一つです。
認知症のワンちゃんは徘徊をする習性があるので
ある程度の広さが必要ですが、サークルだと
予想外の行動が制限されるのでお留守番も安心ですよね。
ただしサークルも金属のような硬い素材だと
ぶつかってケガをする恐れがあるので、
クッションを取り付ける、柔らかいサークルにする
といった対策は行ってください。
⑤モノは必要最低限に
わんちゃんの生活スペースにある家具やモノは
必要最低限にしましょう。
モノが多いだけ、ケガや事故のリスクは高まります。
それにモノが少ない方がワンちゃんの行動範囲も
広くなるので運動量が増えます。
コーナーガードや隙間防止対策もモノが少ないほうが簡単です。
⑥室温管理を徹底する
犬も年老いて代謝が落ちてくると、体温管理が苦手になります。
例えば人間にとって快適な温度のエアコンでも
ワンちゃんの体は冷えるという場合もあるので
夏でも冬でも体温調節のためにさっと掛けてあげられる
毛布やタオルケットなどを用意しておきましょう。
また、直射日光を浴びると体に熱がこもる場合もあるので
季節を問わず、お休みスペースは
窓際を避けて設置しましょう。
寒い夜にクレートやケージの中で寝る場合は
外側を毛布などで覆ってあげると防寒になります。
これらの対策に加えて、こまめな体温・体調チェックと
水分摂取を心がけてくださいね。