目の下が涙で濡れて、被毛が茶色っぽく変色している
その状態を「涙やけ」または「流涙症」といいます。
この犬の「涙やけ」に、
”拭いても拭いてもキレイにならない”
”マシになったと思ったらまたすぐ悪化する”
とお困りの飼い主さんも多いかと思います。
というわけで今回は、涙やけの原因についてと、
根本的に治す方法をご紹介します。
涙やけは病院に行けば治る?
涙やけは体に何らかの異常があるサインです。
病院を受診し原因を探ることが大切です。
ですが、根本的治療という意味では
全て病院が解決してくれるわけではありません。
というのも涙やけには様々な原因があり、
その中には病院で解決できるものと
そうでないものがあるからです。
病院の治療は応急処置にすぎない?!
病院では目薬を処方されたり、
涙管洗浄といって、涙があふれる要因となる
鼻涙管という管の通りを良くする治療を受けられます。
(治療費は2万円前後と高額!)
しかし、それらで症状が改善したとしても
根本原因を解決しなければ、また再発する
可能性はとても高いでしょう。
なので私達は、病院へ一任するのではなく、
原因に合わせて適切な対応を行い
完治させる努力をしなければいけません。
自宅でできる処置方法
この記事では涙やけの根本的な対策
(=原因排除)についてご紹介していきます。
ですがその前に、
今まさに愛犬の目の下にある
涙やけをキレイにしたいですよね。
ということでまずは
自宅ケアの方法をご紹介します。
涙やけで固まった被毛は、
蒸しタオルで毛束をほぐすようにして
ふき取ると落ちやすくなりますよ。
ですがそれでも落ちないという場合は
涙やけの専用除去液がおオススメです。
通販サイトで「涙やけ 犬」等を検索すると
液状タイプのクリーナーがいろいろ見つかると思います。
ちなみに私はこれまで複数の除去液を試しましたが
ペットクール ボディーケアスプレーがダントツでした。
ペットクールの材料は100%水なので
半信半疑だったのですが、
粒子がすごく細かいのだそうで
涙やけやよだれやけなんかをきれいにしてくれますよ。
このような拭き取りと
下記の根本的な対策を併用して
涙やけを治していきましょう。
涙やけのアフターケアにはワセリンが有効
ペットクールなどのクリーナーで涙やけをきれいに拭き取ったら、
アフターケアにはワセリンが有効です。
ワセリンは水を弾く性質があるため、
被毛に涙が付着するのを予防できます。
涙が付着しないということは、
被毛の間に雑菌が繁殖するのを防げるということなので、
涙やけも当然できにくくなります。
またワセリンには保湿効果もあるので、
涙やけができて荒れてしまった皮膚のケアにも役立ちます。
ワセリンは、ドラッグストアでも入手可能な
「白色ワセリン」や「ホワイトワセリン」というものをおすすめします。
柔らかくて精製度が高い、人間の赤ちゃんにも利用できる安全な商品です。
涙やけ(流涙症)の原因と対策とは?
涙やけになる原因には以下のような場合があります。
- 先天的・体質的に鼻涙管が詰まりやすい
- 異物で角膜が傷ついている
- 花粉症などのアレルギー
- 水分不足や運動不足による代謝の低下
- 食べ物が合っていない
鼻涙管が詰まりやすい体質が原因の場合
先天的に鼻涙管(鼻と涙腺をつなぐ管)が詰まりやすい
または、完全に詰まっている場合や、
体質的に詰まりやすい場合があります。
鼻涙管が正常に通っていると
涙として排出される老廃物は鼻に流れていくので
大量の涙が流れることはありません。
先天的・体質的に鼻涙管が詰まる犬の対策
上記のような場合は、病院での治療が必要となります。
涙腺洗浄も有効ですが、涙腺が元々ふさがっている場合は
手術によって解決することになります。
だたし、手術は体に負担が掛かりますし、
涙腺がふさがっていることが命の危険に直結する
わけではないので、治療の際はかかりつけ医と
よく話し合われることをおすすめします。
異物の刺激が原因の場合の対策
ゴミや、まつげ、涙で固まった被毛等が
目の表面に触れると、ひどい時には角膜が傷つき
そこから菌が入り違う病気に感染する場合も。
小さなゴミ程度なら自然に取れるかもしれませんが
問題はまつげや被毛が目に当たる場合です。
まず目の周りの被毛が眼球に当たらないように
カットしましょう。
トリミングやブラッシングを怠ると眼病以外にも
様々なトラブルを引き起こしかねないので
こまめに行なってくださいね。
ただし、逆まつげが原因の場合は
自分で解決するのが難しいので病院で相談してみてください。
花粉などのアレルギーの場合の対策
まず病院でアレルゲンを検査してもらいましょう。
原因が花粉やハウスダストなど
環境によるものであれば、人間の場合と同様に
室内の清掃や空気清浄を徹底して行いましょう。
また病院によってはアレルギー用の目薬を
処方してもらえます。
代謝の低下が原因の場合の対策
水分不足や運動不足は
シニア犬にもありがちな原因です。
尿の量が少なかったり、色が濃い場合は
水分不足が疑われます。
高齢になると水を飲む量が減りがちですが
積極的に水分を取らせる対策が必要です。
例えばお肉や魚で出汁をとったスープを
飲ませたり、フードをウェットフードに変えたり
ドライフードをお湯でふやかすなどが有効です。
運動不足についてはわんちゃんの体調にも
よりますが毎日短時間でも散歩に出かけましょう。
また室内遊びも有効です。
おもちゃに興味を示さなくなったシニア犬でも
フードを忍ばせられるコングのようなおもちゃなら
遊んでくれるかもしれません。
食べ物が合っていない場合
何年も食べ慣れているドッグフードが
実は合っていないという場合もあります。
フードを変えたら涙やけが直ったという話は
多いんですよ。
では合わないフードとはどういうものかと言うと
アレルゲンが含まれていたり、添加物が多くて
消化に負担をかけているフードのことです。
わんちゃんが喜んで食べているかどうかは
重要ではありません。
- 便がゆるい、または硬い
- 涙やけがひどい
- 体を痒がる
- 毛並みが悪い
こんな症状があればフードを見直しましょう。
(美味しいフードは他にも沢山ありますよ)
涙やけにならないフード選びの方法
まず病院でアレルゲンを特定して
それを除去されたフードを選ぶのが一番です。
ですが、時間や費用が心配であれば
このようなフードを試してみるのもいいかもしれません。
- 穀類(特に小麦)が含まれていない
- 動物性タンパク質のメインがチキンではないもの
- kgあたり1000円以下でないもの
- 添加物が少ないもの
これらが絶対的ではありませんが、
小麦やチキンは口にする機会が多いこともあり
アレルギー反応が起きやすい食材なんです。
それに値段が全てではありませんが、
安くて大容量の製品を作るにはコストの安い
穀類や日持ちさせる添加物が多い傾向にあります。
餌を切り替えて健康状態に何らかの改善が見られれば
食品アレルギーが原因の可能性は高いと言えます。