現在シニア用のドッグフードとして
巷で販売されている商品には
「低カロリー・低脂肪」を謳うものが多くあります。
しかしその認識は本当に正しいのでしょうか?
高齢犬には低カロリー・低脂肪のフードが良いと言われる理由
シニア犬(高齢犬)にとって低カロリー・低脂肪の
ドッグフードが望ましいと言われているのは
一体なぜでしょうか?
それは
「犬は老化とともに肥満になりやすくなる」
「代謝が落ちるため多くのエネルギーを消費しない」
という犬の性質が主な理由です。
人間も同じですね。
若い頃はどれだけ食べても太らないのに、
30代、40代と年齢を重ねるに連れて
同じような食生活をしていたら
どんどん太って脂肪が落ちない体に変わります。
こういう理由で低カロリー・低脂肪の
ドッグフードを推奨するのは実に論理的といえます。
ですが「低カロリー・低脂肪」をばかりを重視して
ドッグフードを選ぶのは安易と言わざるをえません。
場合によっては愛犬の老化を早めてしまう可能性が
あるんです。
シニア用ドッグフードが低カロリーである必要はない?
実は低カロリー=良いドッグフードである
とは限りません。
本来犬の主食である肉(や魚)の主な栄養素は
タンパク質です。
ですからドッグフードに配合されている肉の量が多いほど
良質なドッグフードであると言えます。
でも肉類ってカロリーが高いんじゃ?
と心配な方もいらっしゃるかもしれませんね。
たしかに野菜や栄養をたっぷり添加したドッグフードに比べ
肉類の割合が高いドッグフードのカロリーは高いかもしれません。
ですが古来より肉類を主食としてきた犬にとって
肉から栄養を摂るのは当たり前のことです。
つまり犬にとって肉類を消化吸収することは
最も負担が少ないのに効果的な栄養摂取手段なんです。
どうしても肥満を解消したいという目的があれば
低カロリーな動物肉や部位を使用したドッグフードを
おすすめしますが、良質な肉が豊富なドッグフードであれば
カロリーはさほど気にしなくても大丈夫です。
もっと言えば、良質な肉が豊富なドッグフードには
イメージと違ってそこまで高カロリーな商品は
ありませんし、同程度のカロリーの商品なら
肉の割合が少ない商品のほうが太りやすいと言えます。
カロリーを気にしすぎると栄養効率が下がる?!
カロリーが低いからと言って、栄養吸収率で劣る
ドッグフードを与えていれば本末転倒ですよね。
低カロリー=良質なフードとは限らないと言った理由は
ここにあるんです。
では栄養吸収率で劣るドッグフードとは
どんなものかと言うと?
それは肉などの動物性タンパク質以外の材料が
高配合されている商品です。
なぜなら消化吸収しやすい動物性タンパク質が少ない分
その他の成分がシニア犬の消化器官に
負担をかける可能性があるからです。
具体的には穀物が原材料表の上部に記載されている
ドッグフードは要注意です。
⇒国産ドッグフードが危険と言われる理由はこの原材料にあった!
穀類高配合なら低カロリーでも意味ナシ
犬は穀類の消化が得意ではありません。
とりわけ、消化機能の衰える高齢犬には
負担が大きいでしょう。
低カロリーを売りにして、なおかつ
穀物が大量に配合されているのなら
いったいどれほどの動物性タンパク質が
配合されているのでしょうか?
犬にとって最も必要な栄養が
本当に足りていると言えるでしょうか?
いくらカロリーと脂肪分を抑えても
肝心の栄養の質が悪ければ、
そもそもドッグフードとしての役割を
きちんと果たせていないことになりますよね。
高齢犬のドッグフード選びで”低脂肪”は重要ポイント
一方、低脂肪であることは
シニア用ドッグフードにとっては重要です。
脂質10~15%ぐらいまでのフードを選ぶと
良いのではないでしょうか。
やはり太りやすいという事実はありますから
高たんぱくでも低脂肪なフードがベストです。
脂肪分やタンパク質の配合量は
ドッグフードの成分表に必ず表示がありますので
フード選びの際は必ず確認してください。
ただし、低脂肪も例外があります。
老化が進んで、食欲が落ち、
痩せて体力が衰えているような場合は
高脂肪のものを与えても構いません。
エネルギーとなるタンパク質や脂質をしっかり補って、
体力の維持を最優先してください。
低カロリーよりも重要視すべきは原材料
先程も述べましたが、カロリーで
ドッグフードの良し悪しを判断することはできません。
ではドッグフード選びの際に何を重視すべきかというと、
ずばり原材料です。
動物性タンパク質(肉や魚)が高配合されている。
それらは〇〇ミールという不明確なものではなく
牛肉、鶏肉などはっきりと記載がある。
栄養(サプリ)をの添加を最小限に押さえ、
天然食材の栄養をたっぷり配合している。
こういったドッグフードは栄養吸収に優れた
良質のフードだと言えます。
カロリーや脂質、タンパク質等の割合も
商品選びの参考にはなりますが、
実際にそれらはどういう食材で構成されているか?
ここを最も重視してフード選びを行いましょう。