愛犬が寝たきりになると悩まいいのが褥瘡(じょくそう)いわゆる床ずれです。
頻繁に寝返りを打たせていても、たった半日お世話できないだけであっという間に床ずれになってしまいますよね。
床ずれはいかに予防するかが大切ですが、一度できてしまったものはいかに早くきれいに治すかが大切です。
寝たきり犬の褥瘡(床ずれ)をきれいに治す方法
床ずれを消毒していませんか?
寝たきりで寝返りが打てない体力の衰えた犬に床ずれはできてしまいます。
抵抗力が無い老犬は床ずれに負けてしまうのではないか?と心配になりますよね。
ですが、愛犬の抵抗力が衰えているからと言って殺菌消毒で床ずれを治そうとしてはいけません。
消毒液は悪い菌を殺す反面治そうとするいい菌まで殺してしまうからです。
(医師の判断により例外もあります)
床ずれを自己流で治そうとしないよう気をつけましょう。
床ずれの治療の基本は湿潤療法
床ずれの治療には湿潤療法が用いられます。
湿潤療法とは字の如くで、傷口を乾かさずに傷口から分泌される浸出液の力で治癒する方法です。
最近ではドラッグストアで見かけるキズパワーパッドなども、人間の傷をすばやく治す湿潤療法のアイテムです。
ラップの湿潤療法はもう古い?!
犬の床ずれの治療法として代表的なものの一つがラップ療法です。
傷口にワセリンを塗り、食品ラップで覆います。
しかし、現在ではラップ療法が最も推奨される治療法ではなくなっています。
というのも、食品ラップは通気性がかなり低いため、湿潤効果は高いものの、雑菌がものすごく繁殖しやすい環境を作ってしまうからです。
雑菌の増殖は感染症や敗血症性ショックを起こしかねないため注意しないといけません。
そのため最近では、後述のパッドを用いた方法を勧める医師が増えています。
パッドを使った最新湿潤療法の方法
ラップ療法以上に注目されているのがパッドを用いた湿潤療法。
パッドとは、ペットシーツや生理用ナプキン等の吸水性の紙パットのことです。
これらには吸水性があり、傷口から溢れた分泌液を適度に吸い取ってくれるため、適度な湿り気を維持できます。
犬の褥瘡用のキズパッドなる商品は現時点では市販されていませんが、身近なアイテムで簡単に自作することができるので、以下を参考に手作りしてみてください。
<用意するもの>
- 白色ワセリン
- ペットシーツまたは生理用ナプキン等の吸水パット
- 台所用穴あき水切りゴミ袋(不織布やストッキングタイプではなく、ポリ袋タイプ)
- サージカルテープ
- 水の入った霧吹きまたはペットボトル
- キッチンペーパーや清潔なガーゼ
床ずれ湿潤療法<手順1>床ずれパッドを作る
- ペットシートや生理用ナプキンを、褥瘡が余裕で覆える大きさにカットする
- ①を水切りポリ袋に入れる
- ①の大きさに合わせて水切り袋を折りたたみ、中身がずれないようにテープで止める(患部に当たらない面を折りたたんでください)。
これで特製傷あてパッドが出来上がりました。
床ずれ湿潤療法<手順2>褥瘡の表面を洗う
霧吹きやペットボトルを使って床ずれになっている部分を水で洗います。
表面の汚れを落ちたら、清潔なキッチンペーパーやガーゼなどで優しく水気を拭き取ります。
長毛の犬種は汚れを洗う前に患部の周りの毛をカットするとよりお手入れがしやすくなります。
洗浄の際のワンポイントですが、わんちゃんの体の下にペットシートを敷いておくと汚れを気にせずに処置できますよ。
床ずれ湿潤療法<手順3>白色ワセリンを塗る
次に白色ワセリンを床ずれ部分に軽く塗ります。
乾燥防止のためにまんべんなく塗ってください。
床ずれ湿潤療法<手順4>床ずれパッドで保護する
①で作成した床ずれパッドの折りたたんでいない平らな面を褥瘡にあてがい、テープで体に固定します。
この時のテープは肌に負担の少ないサージカルテープを使用しましょう。
(ドラッグストアや通販で入手できます)
また、ワセリンの上にテープを貼ると大変剥がれやすいので、パッドの大きさにはゆとりを持たせてください。
大きな床ずれや悪化する床ずれは病院へ
上記の湿潤療法で効果が見られない場合や、広範囲にわたる床ずれの場合は、医師に治療してもらいましょう。
治療に時間がかかるような重い症状の場合、自宅の湿潤療法では不十分なこともあります。
治癒に時間がかかるということは、その分、感染症などのリスクも増えるということですから、放っておけば治ると思わずに早めに専門家の判断に従ってください。
⇒老犬の食欲が急低下!先輩オーナーも納得の食欲不振を改善できるフードとは?